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2015/07/30

≪首飾りの物語≫ 古風ないいまわし? 『しずくのくびかざり』『ムッドレのくびかざり』『比類なきジーヴス』



森太郎がそそと寄ってきて、

――いいものひろったから見せたげる。

と、いいます。

――マラカスみたいでしょ。音はならないけど。



出てきたのは、

持ち重りのするあたまでっかちな、何か。



これ、なんだかわかりますか。






正体は、

タイサンボクのめしべ。



学名のMagnolia grandifloraの通り、

大きな木蓮のような花を咲かせる木です。



グリップみたいな枝の部分は

金属を打ったような焼鉄色で、

特別な工具のようです。









しずく形のモビールを作りました。



今日は北欧の伝統工芸

ヒンメリを作る日です。



きれいですね。






先日しずくのモビールを作りながら、

――くびかざりみたいだなあ。

と、思っていました。



首飾り。



ネックレスというより

ちょっと古風な言い回しですし、

直截な言い方ですが、

雰囲気があって好きです。



そう思ったのは、

この本が念頭にあったからかもしれません。





しずくの首飾り
作/ジョーン・エイキン
絵/ヤン・ピアンコフスキー
岩波書店 定価(2,200円+税)



北風がくれた、雨粒の首飾り。

それは、

首にかけたひとを

どんな雨にも濡れることなくする

不思議な力を持っていました。



首飾りの持ち主は、

ローラという女の子。

この首飾りをしていると

雨をやめさせることができます。



友だちがこんな首飾りをしていたら

素敵ですね。

遊びたい時ににどしゃ降りだったら、

ローラに頼んで雨をやませてもらうことができます。



でも、ローラの周りには喜ぶともだちの他に、

しっとするともだちもいたようです。

首飾りはローラの手を離れ、

思いがけない遠くへ行ってしまいます。



ローラは、首飾りを取り戻せるでしょうか。



表題作の他にも、

すてきなお話がたくさん。



森太郎がお気に入りの『パン屋のネコ』は

イースト菌を食べて

むくむくと大きくなる猫、モグのおはなしです。



ポーランド出身イギリス在住の

ケイト・グリーナウェイ賞受賞のイラストレーター

ヤン・ピアンコフスキーの

イラストも物語に雰囲気を添えます。






陸のものなのに

なんだか海のものみたいなこれら。


手前はどんぐり、
(殻斗、いわゆる帽子におおわれています)
奥はタブノキの若い枝です。



どんぐりはウニ、

タブノキはサンゴに見えませんか?



サンゴといえば、

この物語で素敵な首飾りに

なっています




ムッドレのくびかざり
作/イルメリン・サンドマン=リリウス
岩波書店


主人公の女の子ムッドレは、

お母さんから

赤いサンゴの首飾りをもらいます。


でも、ムッドレは

この首飾りがあんまり、好きじゃない。


というのは首にかけると重たくて、

飛んだり跳ねたりするのに邪魔だから。



ムッドレは、そういう女の子なのです。



首飾りは人形の親友

アステル・ピッピにかしだしています。

宝物というわけでもありませんから、

扱いもつい不注意になって、

ムッドレは遊びの最中に

首飾りを松にひっかけてしまいました。



糸は切れ、

首飾りはばらばらになってしまいます。



ところが、ちらばったはずのサンゴが

一つも見つからないのです。



その日から、

ムッドレは不思議な存在と

触れ合うようになります。



作者のイルメリン・サンドマン=リリウスは

フィンランド出身の作家。

北欧神話を下敷きにした『トッレ王物語』でも知られます。



日本のおはなしに

河童や山姥がでてくるように

北欧のおはなしには

水の精やトロルが登場します。



ムッドレの首飾り』には

かわいい角(つの)うま(新訳ではイッカクジュウ)が

でてきますよ。

ちなみに、原題はEnhörningen

ユニコーンという意味です。





比類なきジーヴス
著/P・G・ウッドハウス
国書刊行会 定価(2,000円+税)


最後はイギリスのユーモア小説から、

名コンビに登場してもらいましょう。



お金持ちで情にもろい青年バーティーと、

冷戦沈着向かうところ敵なしの召使いジーヴス。



バーティーはその性格から、

身内や親友の持ち込むトラブルに

巻き込まれっぱなし。

人は良いものの、

ホームズにもワトソンにもなれないバーティーは

あたふたするばかり。



そこで、ジーヴスの登場です。



ジーヴスの暗躍がこの小説の

おもしろいところですが、

見どころはもう一つあって、

それはバーティーの服の趣味。

しばしジーヴスを絶句させ、

二人の間に冷たい空気が流れます。



バーティーの強烈なアガサ伯母の

真珠の首飾りが盗まれた時、

ジーヴスと冷戦状態だったのも

この悪趣味が原因です。



シリーズ化されていますので、

二人が気に入ったら、

どんどん次の作品にとりくんでください。



種類の違う三つの首飾りからはじまる

これまた全く違う三つの物語。



ぜひ、読んでみてください。





参加者募集のお知らせ




おはなしの森では、

絵本に登場するキャラクターの人形を作る会を

定期的に設けています。


前回はぐりとぐらを作りました。

9月は、エルマーのりゅうを作ります。






材料はフェルトにリボン。

カラーもシルエットも、

まさにボリス。






参加をお考えの方は、

お気軽にスタッフにおたずねください。



≪夏の子ども手づくり教室のお知らせ≫



●やさしく風にゆれるモビール

 ヒンメリを作りましょう。





7月30日(木)

10:30~12:00 

定員 6名

講習費 500円


光のモビールと呼ばれるヒンメリは、

フィンランドの伝統的なつるし飾り。

麦わらに一筆書きのように糸を通し、

立体的に立ち上がった幾何学模様は

とても綺麗です


今回は涼しげな色合いの

ポリエステルのストローを使って作ります。



フィンランドの伝統装飾 ヒンメリ
著/おおくぼともこ
プチグラパブリッシング 2,052円


●顔がとび出す

 小さな絵本を作りましょう





8月11日(火)

10:00~13:00 

定員(小学生対象) 6名

講習費 1200円


四場面で、四つの顔がとび出す折りたたみ絵本です。

家族、動物、妖怪……四つの横顔を考えてきてくださいね。