梅雨らしい空です。
森の読書猫森太郎とモリーは
しとしと雨の中をお散歩に出かけました。

旧博物館前のメタセコイヤは
剪定されて緑のポッキーみたい。
偕楽公園の中に入ると、
あまいにおいがします。
――ヤマモモだね。
樹上を見あげた森太郎が言いました。

赤くて丸い実が
たくさん実っています。

地面の上にも
落ちた実がいっぱい。
スーパーマーケットにも
プラムやぶどう、モモといった
夏のくだものが並びはじめました。
大きくて、まんまるで、
縞模様がおしゃれなこのくだものも
見かけることが多くなりますね。

スイカです。

『すいかのたび』
作・絵/高畠純
絵本館
定価(1,200円+税)
海をゆらゆら、旅するすいか。
海のどうぶつたちがやってきて
すいかにごあいさつ。
ラッコにあざらし、
そして……おおきなあの影は?
いつの間にか
ぷかぷかすいかの目線になって
海をただよっている気分に。
どきどきする旅に
出発です。

雨にうるおった苔は
水をいっぱいに含んで
緑の星のように輝いています。
カエデの種には
プロペラがついています。
(翼果と呼ばれる形です)
風に乗って、遠くまで行けるように。
この種はどこから
旅してきたのでしょうか。
森太郎とモリーは
種の旅を想像して
わくわくしました。