book


      お家で過ごす時間が長くなりました。本を楽しみませんか?店頭在庫など、電話・FAX・メールにてお問い合わせください。ご注文いただいた本は、発送いたします。

2021/02/28

三月の詩『春に』谷川俊太郎

 



この気もちはなんだろう

目に見えないエネルギーの流れが

大地からあしのうらを伝わって

ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ

声にならないさけびとなってこみあげる

この気もちはなんだろう

枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく

よろこびだ しかしかなしみでもある

あこがれだ そしていかりがかくれている

心のダムにせきとめられ

よどみ渦まきせめぎあい

いまあふれようとする

この気もちはなんだろう

あの空のあの青に手をひたしたい

まだあったことのないすべての人と

会ってみたい 話してみたい

あしたとあさってが一度にくるといい

ぼくはもどかしい

地平線のかなたへと歩きつづけたい

そのくせこの草の上でじっとしていたい

大声でだれかを呼びたい

そのくせひとりで黙っていたい

この気もちはなんだろう

『どきん』
理論社

2021/02/01

2月の詩『生きる力』清野倭文子

 


生きる力は

わたしの中にすんでいる


朝 顔をあらうのも

髪にブラシをかけるのも

生きる力が

そうさせる

もっと もっと生きたいと

今日もごはんを

食べさせる


胸いっぱいに

深呼吸

大地をけって

歩かせる

なやみや 苦しみ

さようなら

けっとばされて

飛んでいけ


病気の時も 生きている

閉じたまぶたのその下で

目玉ぐりぐり 夢見てる


生きる力が

私にある

私の中に

今日もある


『一編の詩があなたを強く

抱きしめる時がある』

水内喜久雄編

PHP 研究所

2021/01/06

1月の詩『おもちのかぞえうた』

 



一つ ひばちで やいたもち

二つ ふくふく ふくれもち

三つ みごとな かざりもち

四つ よごれた あずきもち

五つ いんきょの かぶれもち

六つ むこどの みやげもち

七つ ななくさ ぞうにもち

八つ やひこに あげるもち

九つ ここらに くばるもち

十で とのさんに あげるもち


わらべうた 日本の伝承童謡
町田嘉章、浅野健二編
岩波文庫


***


12月に 植えた

フリージアの 球根が 

芽を出しました。


あたらしい 年です。


すこしずつ すこしずつ

光の あかるくなる

春へ。


今年も よろしく

おねがいいたします。