たねといういのちのかたち
たねって、なんでしょうか。いろんなかたちがありますね。大きなもの、小さなもの。綿毛がくっついているのもあるし、かたい殻におおわれているの、とげとげをもっているの……さまざまです。
そのたねの目的はひとつ。いのちをつなぐことです。
たねのいろいろな特徴は、たねがいのちをつなぐために、役立っています。たねはじぶんで、あるくことができませんから、ほかの助けを必要とします。例えばそれは、かぜ。あめ。とり。どうぶつ。それから、ひと。
綿毛がついているたねは、風にのるのが上手ですし、とげとげのたねは、動物のからだにくっついて移動するのが得意です。かたい殻におおわれているたねは、簡単に食べられませんから(実を食べてもらって、鳥にはこんでもらうたねもありますが、たねそのものが食べられてしまっては、いけません)、自分をまもるすべを、知っているということになります。
生きる場所をみつけ、生き抜くこと。それが、たねの生き方です。
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『わたしたちのたねまき
たねをめぐるいのちたちのおはなし』
キャスリン・O・ガルブレイス/作
ウェンディ・アンダスン・ハルバリン/絵
梨木香歩/訳
のら書店 ¥1600+税