冬の空から落ちてきたの?森にやってきた真っ白いふわふわ。雲かしら。雪かしら。いえいえ、それはピアニストの畑から来たコットン・ボールです。ひびあきら『ワタの絵本』農文協
ひんやりした風が吹いています。
空にはぽこぽこ雲が浮かんで、
鳥たちの声がきこえます。
森の読書猫ちびのモリーは
お店で不思議なものを見つけました。
――この、ふわふわしたものは、なに?
その正体は、綿。
ピアニストのお客さまが
畑で育てた綿を届けてくれたのです。
どんぐりやら松ぼっくりやら
自然の実が大すきな森のスタッフは
大よろこび。
森の裏庭でも矮性の(ちいさい)綿は
育てたことがあるのですが、
本物はとっても大きい枝ぶり。
枝はかちかちで、まるで木のようです。
――綿あめみたい。
はじける前の莢も
こんなに立派。
――毛糸玉は羊さんの毛からできるけど、
この綿からは何ができるんだろう。
つむぎ方を研究しようと思う
ちびのモリーでした。
『ワタの絵本』
編/ひびあきら
絵/やまだひろゆき
農山漁村文化協会
定価(1,800円+税)