毛糸屋さんは、毛糸のような顔をしている。樋勝朋巳『フワフワさんは けいとやさん』シリブカガシのどんぐりをひろいました。



寒風の中、

鮮やかな黄色に

はっとして足を止めると

セイヨウタンポポが

咲いていました。






冬はニット用品が

大活躍する季節。



今日、

紹介する絵本は

そんな毛糸を商う

フワフワさんのおはなしです。





フワフワさんは けいとやさん
文・絵/樋勝朋巳
福音館書店 定価(1,400円+税)



ひそかにファンの多い

(ひそかにファンでいたい、本なのです)

名作絵本『きょうはマラカスのひ』の作者、

樋勝朋巳さんの新作です。



毛糸屋さんを営むフワフワさんは、

お客さまからオーダーを受けて

ニットを編みます。




今日は、

目出し帽をお渡しする日。




ところが、試着してもらうと

穴の位置が合いません。



大失敗!



フワフワさんは、

お客さまをがっかりさせまいと

一生懸命編み直します。




きょうはマラカスのひ』の主人公、

くねくねさんも登場します。

(あいかわらず、マイペースです)



ほろりとするエンディングまで、

どうなることやらと目が離せない

心があたたまるすてきな絵本です。



それにしても、

フワフワさんの顔。



なんだか、

毛糸みたい……?



ひとは商うものに

似てくるのかな。







まるで

漆器のような光沢。



シリブカガシの

どんぐりです。



落ちた時は

粉をふいたように

なっていますが、

指先でこすり落とすと

この光沢があらわれます。



ブナ科マテバシイ属の

シリブカガシ。



和名を漢字で書くと、

尻深樫。



殻斗(どんぐりの、お椀のような帽子)を

かぶっている部分が

へこんでいることに由来するそうです。



それでは、見てみましょう。






アラカシのどんぐりと

比べると、

たしかに

へこんでいますね。




どんぐりひろいに

関心を持たれた方に、

おはなしの森イチオシは

この絵本。



どんぐりノート
作/いわさゆうこ・大滝玲子
文化出版局 定価(1,300円+税)



今日は、

今年最後の営業日です。



森で

お待ちしています。