今月の詩『なみだのちにじ』あおぞらよしあき/工藤直子

いつも なみだはみせないぼくです
はればれと あおいむねをはって
おおおぞらを ささえています
でも ときどき
とても さびしくなる
どんなに さびしいかというと
でかすぎて
はかれないくらいです

そんなとき ポケットから
あまぐものハンカチを とりだして
いっぱい なきます
しくしく… しとしと… ざあざあざあ!

そのあとは すっきりからり
おおぞらに にじをかけて
あっはっはっはと わらいます

すると みんな
そらをみあげて ほっとします

『のはらうたⅤ』
工藤直子詩
童話屋