二月の詩『ことば』三島慶子

 


口からでた ことばは

音となかよし

うまれたときから

ずっと いっしょに

うたったり

はずんだり


文字になった ことばは

ひとりぼっち

背すじをのばして

ピンと立っているつもりでも

ほんとうは 少しさびしい

いつも

だれかの心のリズムとなかよくなることを

ゆめみて

まっています


『空とぶことば』

三島慶子詩集

理論社