12月の詩『からだ』三島慶子

 


たくさんの名前があり

たくさんの部分にわかれている


けれど全部でひとつ

ひとりのわたし

いっしょに生まれて

いっしょに育つ


せなかという海

おなかという大陸

小さくならぶゆびの島

かたという山

おしりの平原


全部でひとつ

この星のように


いっしょに生まれて

いっしょに年をとっていく


『空とぶことば』

三島慶子/詩

理論社