11月の詩『かきの実』与田準一



つゆが しもに変わり

しもは朝ごとに白くなる


むらのかきの実は 赤くうれ

赤く 赤くうれ

ひくい枝から だんだんへっていく


空は一日 青くすみ

青く 青くすみ

からすのむれが

ごまをまいたように飛ぶ


そんな日が続き

同じような日が続き

こずえに残されたかきの実一つ


実は赤く光り

赤く 赤く光り

冬が来た信号燈のように

村でいちばん早く 朝日をあびる


『ゆめみることば』

与田準一

教育出版センター