九月の詩『ことば』三島慶子

 


口からでた ことばは

音となかよし

うまれたときから

ずっと いっしょ

うたったり 

はずんだり


文字になった ことばは

ひとりぼっち

ピンと立っているつもりでも

ほんとうは 少しさびしい

いつも

だれかの心のリズムと

なかよくなることを

ゆめみて

まっています


『空とぶことば』

三島慶子詩/理論社