今月の詩『草』はたちよしこ





草の 背中を みた

風に
はげしく ゆれ
倒れても
倒れても
立ち上がろうとする
草の 背中を みた

梅雨あけの
まぶしい 夏空の 日に


『また すぐに会えるから』
大日本図書


夜明けから 夏らしい風の吹いた

八月の始まり。




森の庭では セミたちが鳴き

夏をせいいっぱい

歌っていますが

公園の 銀杏の木には

銀杏の実が 鈴なりです。



不安なすべてを 忘れてしまうことは

むずかしい けれど

目の前で 歌をうたう 虫や

つぼみのふくらむ 花を

見つめている その時ばかりは

頭を からっぽにして

ああ いま このときを

たいせつにしよう 

彼らは いまを

生きているんだから と

思う この頃です。


今月も よろしくお願いします。