1月の詩『てとあし』




あしが
わたしを はこび
あしが
わたしを つれてゆく
そこで
であう あたらしいひと
そこで
はじまる あたらしいこと
てが
さわり
てが
つかみ
五ほんのゆびで
あんでゆく

ひとつ ひとつ
たえまなく
さがすたび
わたしの あしたを
つくるたび
てとてとあしが
はこんでく
みらいの わたし
まだみぬ わたし


宇部京子
『リンダリンダがとまらない』
理論社