2018/04/01

≪四月の詩≫ 光といっしょに 新川和江『いつもどこかで』


 光といっしょに


 みどりの森には
 止まりごこちのよい枝も
 かあさんが えさをはこんでくれる
 あたたかい 巣もあるけれど

 はじめてきく すてきなうたが
 早くおいで 早くおいで!
 と空のおくから
 小鳥をしきりに 呼ぶのでしょうね

 あのうたを
 風といっしょにうたってみたい
 光といっしょにうたってみたい

 そう思って
 いっしょうけんめいとんで行く小鳥は
 じぶんでは見えないけれど
 空のなかで
 キラリ つばさがうつくしくかがやくの

 かぜきりばねがつよくなって
 とおい国へも
 とんで行けるようになるの


2018/03/01

≪三月の詩≫『おしらせ』うさぎふたご


おしらせ


うさぎ ふたご


みみのさきの

すべすべ やわらかいところが

いちばんさきに はるになります


それから しばらくして

のはらじゅうが

はるになります


『のはらうたⅡ』
詩/工藤直子
童話屋

2018/02/01

≪二月の詩≫ 二月のあかり 石垣りん『レモンとねずみ』


二月のあかり



二月には

土の中にあかりがともる


遠足の朝など

夜明けの

まだ暗い空の下で

先に起きだしたお母さんが

台所のデンキをつけるように

旅のしたくを始めるように


二月には ぽっかり

土の窓にあかるいものがともる

もうじき訪れる春を待って


草の芽や

球根たちが出発する

その用意をしてあげるために

土の中でも

お母さんが目をさましている


『レモンとねずみ』
石垣りん/童話屋